ここでは50代で山菜採りを始める初心者の方に、私が登山から学んだレイヤリング(3層の異なる役割のウェアを適切に重ね着すること)をベースに、山菜採りの経験を生かして独自に考えた服装の選び方を、下着や上着、アウターやズボン、靴下に分類して詳しく解説していきます。参考にしていただければ幸いです。
山菜採りでの服装の大切さ
真夏や真冬に山菜を採ることはほとんどありませんが、
その他に、私はウルシなどのかぶれる植物に触っても、
また、タオルや手拭いなどを首に巻くことをおすすめします。これは、汗を掻いた時に拭うことの他に、
これらのことを前提に、以下に私が登山から学んだ知識と経験をベースに、
山菜採りの服装|下着(ベースレイヤー)の選び方
ベースレイヤーとは登山でよく使う言葉で、体の一番下につける、
空気と比べ、
また風が強い状況下では、気化熱の影響が大きくなり、
人は体温が低下すると体温を維持しようとして、
若いとまだ体力もありますが、
また、登山では寒い場合、ベースレイヤーの上にタイツを履きますが、山菜採りの場合、標高の高いところに行く場合や、寒がりの方の場合を除いてタイツは履かないのが基本です。逆に暑すぎると脱水症状や熱中症になる可能性がありますので気を付けてください。
下着(ベースレイヤー)の役割
下着(ベースレイヤー)の役割としては、
- 掻いた汗を素早く吸収して、汗冷えを防ぎます。
- 吸い上げた汗を素早く蒸発させることで、
肌をドライに保つことと、保温性を確保することができます。
掻いた汗を素早く吸収して拡散・蒸発させることで、
素材の選び方
ベースレイヤーには「化学繊維」、「ウール」、
化学繊維
- メリット:吸水速乾性に優れていることと、
擦れなどに強く破れにくいのが特徴です。 - デメリット:許容を越えた汗で濡れると乾くまで冷たさを感じ、
肌にまとわりつく感じがあります。
シャツとパンツの上下が写った写真は、上がベースレイヤーとしてモンベル(montbell)のTシャツを使っています。表記がないですが、素材は化学繊維でさらさらした感じで、夏はこれをTシャツとして着ています。下のパンツは写真でもお判りの通り、ユニクロのAIRismです。素材は化学繊維でナイロンとポリウレタンを使用しています。私の場合は、AIRismはある程度の汗にも対応できるし、肌触りもよいので普段使いにも使用しています。
写真は長そでシャツが、Foxfireというメーカーのもので、パンツはユニクロのAIRismです。このFoxfireの長そでシャツはポリエステル100%ですが、感触は綿や麻に近いので着心地がとっても良いので、あまり暑くない日の山菜採りの時の下着(ベースレイヤー)として着用しています。
ウール
- メリット:汗を搔いて濡れても冷たさを感じにくく、
保温性が高いのが特徴です。 - デメリット:化学繊維ほどの速乾性はありません。
また耐摩耗性も化学繊維には劣ります。
写真はICEBREAKERというメリノウール100%で有名なメーカーのものです。私は山菜取りの時期に着ることはほとんどありませんが、寒がりの方でしたら薄手のメリノウールを下着(ベースレイヤー)として着用すれば、汗をかいてもあまり寒さを感じないのでおススメです。私はこのICEBREAKERのメリノウールは、冬のアワビ漁の時に着用しています。氷点下の中での漁なので寒いのですが、中は汗で濡れます。でもメリノウールだと濡れていてもそんなに寒くないので、ドライレイヤーの上に必ず着用するようにしています。
※ メリノウールとは:羊毛にも多数の品種がありますが、その中でオーストラリアやニュージーランドなどで飼育されている「メリノ種」という羊の毛のことをいいます。他のウールと比べると繊維がとても細く(30〜40ミクロン程度)、保温性も高いのが特徴で、汗を素早く乾かし、発汗量の多い動きの激しいシーンでも肌面をドライに保つので、登山のベースレイヤーとして人気が高いです。
ハイブリッド
- メリット:化学繊維とウールの長所を兼ね備えています。
- デメリット:化学繊維やウールと比べると、吸水速乾性、保温性、
耐摩耗性に劣る場合があります。
写真はNBF(一般社団法人 日本ボディファッション協会)というメーカーのもので、ポリエステル・アクリル・毛のハイブリットタイプです。感触としては綿や麻に近いですが、ウールも混ざっているので結構暖かいです。「今日の山菜採りは少し冷えそうかな」と思うような時に、下着(ベースレイヤー)として着用したり、重ね着用として小さな袋に入れて持っていきます。
以上、素材別にいくつかご紹介しましたが、気象条件や発汗量、運動量などに応じて、汗かきの方は化学繊維のベースレイヤーを、
タイトフィットかゆったりフィットか
一般的に下着やTシャツでも、体に対してタイトなシルエットのものと、ゆったりしたシルエットのものがありますが、ベースレイヤーを選ぶ際はタイトなシルエットのものがおすすめです。
その理由として、ゆったりしたシルエットのものは、生地が肌から離れてしまうので、吸水性が劣ります。一方、タイトフィットのものは、肌に密着して汗をすばやく吸い上げるので、汗冷えを防いで常に肌をドライに保ち、
下着(ベースレイヤー)のおすすめの購入先
下着(ベースレイヤー)を購入する場合は、以上のポイントを踏まえて、自分の体質やどの地域でいつ頃山菜採りをするのかなどを把握したうえで、自分に合った下着(ベースレイヤー)を購入することをおすすめします。
購入先としては、登山用品を中心に展開しているメーカーのものが、品質がしっかりしているのでおすすめですが、値段的に安くはないので、山菜採りで着用するのであれば、ホームセンターや作業着専門店などでも、機能も充実しているうえにリーズナブルなものがあるのでおススメです。
因みに、私が愛用しているアウトドアメーカーをいくつか挙げてみますと、国産メーカーではメジャーなモンベル(montbell)、ベースレイヤ―で有名なファイントラック(finetrack)、海外メーカーでは日本でもおなじみのザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)、私が愛用しているドライレイヤーのメーカーのミレー(MILLET)、こちらも私が愛用しているミドルレイヤーの一つ、カナダのアウトドアメーカーのアークテリクス(ARC’TERYX)などがあります。
この他にもまだまだたくさんのアウトドアメーカーがあり、各々特徴を持っています。この中にはあなたに合ったものが見つかると思いますので、是非探してみてください。
ただ、私の意見としては、山菜取りで着る下着(ベースレイヤー)をはじめとした服装は、登山ほどこだわる必要はないと思っています。
そこでおすすめするのが、先ほども言いましたホームセンターやワークマンなどの作業着専門店です。
知ってますか?最近のホームセンターやワークマンなどの作業着専門店は、おしゃれで高機能なうえにリーズナブルなものがたくさん出ています。こちらも購入先の一つとして検討することをおすすめします。
汗かきの方におすすめ!ドライレイヤー
「山菜取りで着る下着(ベースレイヤー)をはじめとした服装は、登山ほどこだわる必要はない」と言っておきながら、これだけはこだわっています(笑)
私の場合、もの凄い汗かきなので、ベースレイヤーの代わりとして、またはベースレイヤーの下に、さらに汗の吸水・放出を早くして、汗冷えの予防と肌のべとつき感を抑えるドライレイヤー(メーカーによって呼び方が違うことがあります)を着用しています。これは汗かきの私にとっては本当に重宝しています。
ドライレイヤーは、登山を主体としたアウトドアメーカー何社かが出しており、様々なタイプのものがあります。
私は2社から購入していますが、何度か使っているうちに、現在はほとんど海外メーカーのミレー(MILLET)のものだけ使うようになりました。上の写真は、私が使っているミレー(MILLET)のドライレイヤーです。汚くてすいません(笑)
なぜこちらを選んだのかと言いますと、全身網タイツみたいで、着用した姿はかなり怪しい人に間違われる感じですが、汗をかいた時の肌からの汗離れがとても良く、べたつき感がないので、その上に着ている上着が汗で濡れていても冷たいと思うことが少ないためです。
このミレー(MILLET)のドライレイヤーは、暑い夏場の田んぼの草刈りで大汗を掻いても、冬の朝の凍えるように寒いアワビ漁の中で大汗を掻いても、肌のべたつき感が無く、汗冷えすることもないのでとても満足しています。
一方、着るのをやめてしまったベースレイヤ―で有名な国内メーカーのファイントラック(finetrack)のドライレイヤー(下の写真)は、素材が化学繊維で網目がとても細かいためか、汗で濡れているという感覚がミレー(MILLET)のドライレイヤーよりも強く、もの凄い汗っかきの私には向いていませんでした。
だからと言って、ファイントラック(finetrack)のドライレイヤーが悪いと言っているわけではなく、私ほどの汗っかきでなければ、逆にこちらのファイントラック(finetrack)のドライレイヤーの方が向いている場合もあります。
ドライレイヤーは、汗かきの方や、肌のべとつき感を抑えたい方にはおすすめです。個人的な好みなどもあると思いますので、安いものではないですが、私のように何社かを試してみるか口コミや各社のサイトを参考にして選んでみてください。
山菜採りの服装|上着(ミドルレイヤー)の選び方
ミドルレイヤー(ミッドレイヤーとも言います)は、下着(ベースレイヤー)の上に着るものです。普段着でいえば、肌着の上に着るものですね。
登山ですと、保温性を確保することが主な目的となりますが、山菜採りの場合はそこまで気にすることはないかと思います。
ただし、行動中は暑いですが、休憩などで動きを止めると思ったよりも涼しかったり寒かったりします。逆にその時の気象状況で、かなり暑いと思うこともあります。
そんな時に、私の場合はレイヤリング(3層の異なる役割のウェアを適切に重ね着すること)で調整したり、寒さが予想される場合は、収納するととてもコンパクトになる、化学繊維のパイル生地のシャツを持って行ったり、飲み物や食べ物で調整します。
また、この写真は私が普段、ミドルレイヤーとして使っている、カナダのアウトドアメーカーのアークテリクス(ARC’TERYX)のものですが、このようにファスナー付きであれば、暑いときはファスナーを開けることで、ある程度の体温調整ができますのでおすすめです。
この上着(ミドルレイヤー)として使っているアークテリクス(ARC’TERYX)の服は、真夏の暑い時期を除いて、作業をするときは一年中着ています。
理由としては、暑く感じる時期では、掻いた汗がすぐに放出されるので、服の濡れた感じやベトベト感がほとんどないことと、寒い時期ではある程度の保温効果があるので、結構温かいというのが大きな理由です。
因みに、このアークテリクス(ARC’TERYX)は結構な値段がしますので、4~5年前に4枚まとめて出品されているのを、偶然ヤフオクで見つけて落札したものです。
ユーズド(中古)品に抵抗がなければ、良い商品をお手頃価格で入手することもできますのでおすすめです(笑)
山菜採りの場合、上着(ミドルレイヤー)に関してはそれ程こだわる必要はないと言いましたが、出来ればミドルレイヤーも下着(ベースレイヤー)で吸いあげた汗を、素早く吸水拡散して、外に放出するタイプのものをおすすめします。
山菜採りの服装|上着(アウター)の選び方
アウターは名前の通り、基本的には一番外に着るものになります。
山菜採りの上着(アウター)はヤッケがおすすめ
登山の場合は、冬季以外の3シーズンの場合、状況に応じて防水透湿性・防風性を兼ね備えたゴアテックスのレインウエアや、ストレッチの効くウインドジャケットを着用したり、夏場だと半袖の時の休憩時などに羽織るライトなウインドジャケットなどを携帯したりします。
ただ、私が山菜採りに行く場合は登山用の高いものは着ません。
お分かりだと思いますが、山菜採りの場合、藪の中や林の中を行くことが多いので、枝に引っかかって破けたり、トゲでひっかいて傷がついたりするので高いものは怖くて着れません(笑)
なので、私はホームセンターやワークマンなどの作業着専門店、あとお近くに農協があれば農協の購買などで、上下で2,000円前後の安いヤッケを買うことが多いです。
ただし、ヤッケだと私のようなもの凄い汗っかきは、ゴアテックスと違って汗を外に逃がせないのであまり向いていません。しかし値段が魅力的なので手放せません(笑)
ただ、現在は安くていいものが出ており、ホームセンターやワークマンなどの作業着専門店などに行くと、金額的にヤッケに多少上乗せすれば買える、ゴアテックスに近いような性能を持った防水透湿性のものを売っていますので、そちらもおすすめです。
アウトドアショップで高級なウインドジャケットを購入するのか、それとも私のように機能性はある程度目をつむって値段の安いものにするかは、あなたの判断にお任せします。
山菜採りの上着(アウター)はツナギもおすすめ
人によっては山菜採りでの服装にツナギを推奨する方も多いです。
私は何度も言いますようにもの凄い汗っかきなので、ツナギだと汗でビショビショになってしまうので使いませんが、汗っかきでない方やツナギが好きな方にはおすすめです。
ツナギがおすすめな点としては、
- 汚れても気にしなくてよい
- とても丈夫
- 動きやすい
- 前開き
などがあげられます。
因みにツナギを着る場合は、下着(ベースレイヤー)の上に直接着る場合と、上着(ミドルレイヤー)・ズボンを履いた上から着る場合とありますが、こちらは好みやその時の気温の状況などから判断してください。
アウターとしてどちらがいいかは、やはり何度か着用して判断するのがベストだと思います。ただし、どちらの場合でも下着(ベースレイヤー)は前述のものを選ぶことを強くおすすめします。
雨の中での山菜採りにはゴアテックスがおすすめ
今回ご紹介したヤッケやツナギは雨の中の山菜採りは想定していません。もし雨の中での移動や山菜採りを強行する場合は・・・おすすめはしませんが・・・その場合は、防水透湿性・防風性を兼ね備えたゴアテックスのレインウエアをおすすめします。
モンベル(montbell)は比較的リーズナブルなのに機能的にも優れていると思いますので、私は冬山登山以外の3シーズンは、登山用のレインウエアは、モンベル(montbell)のゴアテックスのレインウエア(上の写真2枚)を使っています。
ゴアテックスとは
簡単に言えば、掻いた汗を外に排出して、雨などの外からの水滴は中に入れないという高い透湿性、耐水性、耐久防水性を持った素材です。
その他にも高い防風性も備えており、特に防水透湿性では似たような商品はいくつも出てきておりますが、いまだにゴアテックスを凌駕するものは出てきていません。
ゴアテックスも進化しており、いろんな商品が出てきていますが、いまだに登山のアウター(レインウェア)はゴアテックスの独壇場と言っても過言ではないほどゴアテックスの信頼度は高いです。因みにゴアテックスは登山靴やグローブ、帽子などにも採用されています。
山菜採りの服装|ズボンの選び方
山菜採りの時に、下着(ベースレイヤー)の上に履くズボンですが、私の場合はこちらもホームセンターやワークマンなどの作業着専門店などで売っている、化学繊維のものを履いています。
これは安いという理由も大きいのですが、ベースレイヤーのところで説明したように、吸水速乾性に優れていることと、
高い登山用のズボンでも良いと思いますが、前述したように山菜採りの場合、この上にヤッケを履いたとしても、藪の中や林の中を行くことが多いので、枝に引っかかって破けたり、トゲでひっかいて傷がついたりすることがあるので、私は怖くて履けません(笑)
私の場合、この化学繊維のズボンの上にアウターとして、よっぽど暑かったり、破けたり引っ掻くことが無い場合以外はヤッケを履きます。
写真はポリエステルと綿の混合ですが、薄くて履き心地がいいので、山菜採りのほかにも春先の少し暑いときや夏の作業でも履いています。
山菜採りの場合、膝をついたりすることも多く、土などで汚れることがあるので、この上にアウターとしてヤッケを履くことをおすすめします。
山菜採りの服装|靴下の選び方
私は山菜採りに行く時は、基本的に靴下を重ね履きします。
ドライレイヤーの靴下との重ね履きが快適
私の履き方は、まずベースレイヤーとしてのくつ下を履きます。これは先程、ドライレイヤーでもご紹介した素材のものでできた靴下です。
ただし、私が着用しているミレー(MILLET)のドライレイヤーには靴下がないので、もう1社購入している国産メーカーのファイントラック(finetrack)で出しているドライレイヤーの靴下を履いています。
ドライレイヤーの靴下はとても重宝していて、山菜採り以外にも、夏場の田んぼの草刈りやウニ漁の時はもちろん、冬の時期のアワビ漁の時も履いています。
これを履かないと、この上に履く靴下の種類によっては汗でグショグショニなってしまうし、特に長靴の場合は、靴の中が水をかけたようになってしまうので、とても気持ち悪いんです。
このドライレイヤーの靴下を履くと、靴の中がビショビショでも結構快適です。
ですので、私はこのドライレイヤーの靴下の上に、あまり暑くないときは化学繊維とウールのハイブリッドの靴下を履きます。暑いときは化学繊維の薄手の靴下を重ね履きします。
写真は、濃い紺色のものがファイントラック(finetrack)のドライレイヤーの靴下で、2種類写っている方は普段、私が履いているファイントラック(finetrack)のドライレイヤーの靴下と化学繊維の薄手の靴下です。化学繊維の薄手の靴下は作業着専門店で購入したものです。
ドライレイヤーの靴下は地下足袋との相性も抜群
山菜採りの時は、その日の天候や場所、
私がよく履く靴の中に地下足袋がありますが、地下足袋は多くの場合、
5本指のベースレイヤーの上に5本指の靴下を履けば、
まとめ
山菜採りの服装にそこまで拘らなくてもいいのでは?
しかし、前もってきちんと準備していたつもりでも、いざという時は100%完璧ではないものです。それでも備えあれば憂いなしと言うように、準備しておけばいざという時に対応出来ます。
50代になると若い頃と違って、体力や筋力などあらゆる面で劣ってきています。それを服装の面で少しでも補うことが出来れば、山菜採りが楽しかった思い出となり、そうすればまた行きたいとなって、人生後半の素晴らしい趣味となれば、そのために体力や筋力をつけようと頑張れるようになり、健康面にも良い影響が出てくるのではないかと思います。
今回ご紹介した服装は、私が長年の経験からたどり着いたものですが、当然完璧なものではありません。あなたもこの服装を参考にしていただき、試行錯誤をしながらご自分に合った服装を作り上げていただければ幸いです。
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